生活を良くするための暮らしとお金の相談所

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予期せぬトラブルから生活を守る「最低限の備え」

病気やケガで仕事ができなくなった時。勤務先が突然倒産してしまった時。家族の急な入院で想定外の支出が発生した時。人生には、こうした予測できないトラブルが起こり得ます。

保険に加入していても、給付金が実際に手元に届くまでには時間がかかるもの。その間の生活費をどう確保するかが、多くの人にとって大きな不安材料になっているのではないでしょうか。

そこで準備しておきたいのが「生活防衛資金」です。これは将来のマイホーム購入や子どもの教育費といった計画的な貯蓄とは別に、緊急事態に対応するために確保しておくお金を指します。

いくら準備すれば安心できるのか

最も気になるのは「具体的にいくら必要なのか」という点でしょう。一般的に、生活防衛資金は月々の生活費の3~6ヶ月分が目安とされています。

ただし、この金額は家族構成や働き方によって大きく変わってきます。

独身で一人暮らしをしている場合、月の支出が約15~17万円とすると、最低でも50万円、できれば100万円程度は確保しておきたいところです。一方、夫婦二人世帯では月の支出が約27万円前後になることが多く、80万円から170万円程度が目安になります。

世帯構成 月間支出の目安 必要な生活防衛資金
独身一人暮らし 15~17万円 50~100万円(3~6ヶ月分)
夫婦二人世帯 約27万円 80~170万円(3~6ヶ月分)
子ども1人(3人家族) 約31万円 185~370万円(6~12ヶ月分)
子ども2人(4人家族) 約34万円 200~400万円(6~12ヶ月分)

子どもがいる世帯では、教育費が継続的に発生することや、転職活動に制約が生じやすいことを考慮して、6ヶ月から1年分の生活費を準備しておくと安心です。

3人家族なら185万円から370万円、4人家族なら200万円から400万円程度が一つの目安になります。

働き方で変わる必要金額

会社員と自営業・フリーランスでは、準備すべき金額が異なります。会社員の場合、雇用保険による失業手当や健康保険の傷病手当金といった公的保障が充実しているため、生活費の3~6ヶ月分で対応できることが多いでしょう。

一方、自営業やフリーランスの方は公的保障が限られているため、最低でも半年分、できれば1年分の生活費を用意しておくことをおすすめします。

収入が不安定になりやすく、病気やケガで働けなくなった際の補償も少ないことを考えると、多めに準備しておくことが賢明です。

無理なく確実に貯めるための実践的な方法

生活防衛資金を貯めるために、まず取り組みたいのが固定費の削減です。スマートフォンを格安SIMに変更するだけで月3,000~5,000円の節約になり、年間では3万円以上の差が生まれます。家族全員分を見直せば、さらに大きな効果が期待できるでしょう。

固定費の見直しから始める

保険の見直しも効果的です。必要以上に手厚い保険に加入していないか、使っていないサブスクリプションサービスに料金を払い続けていないか、一度チェックしてみてください。

「先取り貯蓄」の仕組みを作る

生活防衛資金を確実に貯めるには、給料が入ったらまず一定額を別口座に移す「先取り貯蓄」が効果的です。残ったお金で生活するという発想に切り替えることで、自然とお金が貯まる仕組みができあがります。

多くの金融機関では自動送金サービスを提供しており、給与振込日の翌日に自動で指定額を別口座に移してくれます。こうした仕組みを活用すれば、意識しなくても確実に貯蓄が進んでいきます。

投資を始める前に最低限の備えを

NISAやiDeCoといった制度が注目され、資産運用を始める人が増えています。ただ、生活防衛資金が十分にない状態で投資を始めるのはリスクが高いといえます。

投資商品は株価の変動により元本割れする可能性があり、売却から現金化まで数日かかるため、緊急時にすぐ使えません。まずは最低でも生活費の3ヶ月分を貯めてから、少しずつ投資に回すという順序を守ることをおすすめします。

安心できる生活の土台を築く

生活防衛資金は、突発的なトラブルに対応するだけでなく、精神的な安定をもたらしてくれます。「もしもの時でも当面は大丈夫」という安心感があれば、日々の暮らしに余裕が生まれ、将来に向けた前向きな選択もしやすくなるでしょう。

完璧を目指す必要はありません。まずは月々の支出を把握し、自分の状況に合った目標金額を設定してみてください。少額からでも継続して貯めていくことで、確実に生活の安全網を築くことができます。