予想外の支出に備える貯蓄のコツ
家計管理がうまくいかないと感じている人の多くは、毎月の生活費だけを意識していて、突然やってくる出費のことを忘れています。冠婚葬祭や家電の故障、医療費など、予想外の支出は年に何度も発生するものです。
これらの出費を生活費や貯金から捻出していると、いつの間にか口座のお金が減ってしまい、計画的な貯蓄ができなくなります。
問題なのは、予想外に見える出費の多くが、実は「ある程度予測できる出費」だということ。例えば、結婚式のご祝儀は突然の知らせに思えますが、年齢や交友関係を考えれば年に数回は発生すると想定できます。家電製品も使用年数から故障時期をおおよそ予測できるでしょう。
予想外の支出にはどんなものがあるか
まずは具体的にどのような出費があるのか把握しましょう。以下の表は、家計を圧迫しやすい予想外の支出例です。
| 出費の種類 | 想定金額 | 発生頻度 |
|---|---|---|
| 冠婚葬祭費 | 3万円~10万円 | 年1~5回 |
| 医療費(通院・入院) | 数千円~数十万円 | 不定期 |
| 家電製品の故障・買い替え | 3万円~20万円 | 5~10年に1回 |
| 車の修理・車検 | 5万円~15万円 | 2年に1回 |
| 住宅設備の修繕 | 数万円~数十万円 | 不定期 |
こうして一覧にすると、年間を通じてかなりの出費が発生することがわかります。これらを「予想外」として扱っていては、いつまでも家計は安定しません。
予備費専用の口座を作る
予想外の支出に備える最も効果的な方法は、専用の口座を用意することです。生活費の口座と貯金の口座に加えて、「予備費口座」を設けましょう。
この口座は、冠婚葬祭や突発的な修繕費など、不定期に発生する出費のためだけに使います。
口座を分けることの利点
口座を分けると、何にいくら使ったのかが明確になります。生活費と予備費が混在していると、どこにお金が消えたのかわからなくなりがちです。しかし専用口座を作れば、予備費として年間いくら必要なのかが見えてきます。
さらに重要なのは、貯金に手をつける回数が減ることです。将来のために貯めているお金を、突発的な出費で切り崩す習慣がついてしまうと、目標額に到達するのが難しくなります。
予備費口座があれば、貯金を守りながら不測の事態に対応できるのです。
予備費口座にいくら貯めるべきか
目標金額は人によって異なりますが、まずは10万円を目指すのが現実的です。10万円あれば、一般的な冠婚葬祭費や小規模な修繕にはほぼ対応できます。
余裕があれば、30万円程度まで増やしておくと安心感が増すでしょう。
- 初期目標:10万円(冠婚葬祭や小規模修繕に対応)
- 理想的な金額:30万円(大きめの出費にも対応可能)
- 補充のルール:使った分は翌月から積み立てて元の金額に戻す
予備費を使った後は、できるだけ早く元の金額まで戻すことを心がけます。毎月の積み立て額を一時的に増やすなど、柔軟に対応しましょう。
先取り貯蓄で確実に積み立てる
予備費口座を作っても、そこにお金が入っていなければ意味がありません。確実に積み立てるには、給料が振り込まれたらすぐに予備費用の金額を移す「先取り貯蓄」が有効です。
自動積立の活用方法
手動で毎月お金を移すのは忘れやすく、面倒にもなります。銀行の自動積立定期預金や財形貯蓄制度を利用すれば、給料日に自動的に予備費口座へお金が移ります。
例えば、月に5,000円を自動積立に設定すれば、年間6万円が確保できます。これに加えてボーナスから数万円を追加すれば、初期目標の10万円にすぐ到達するでしょう。
意識しなくても貯まる仕組みを作ることが、予備費確保の第一歩です。
年間の出費スケジュールを作る
予想できる範囲の出費は、年間カレンダーに書き出しておきましょう。以下のような項目を整理すると、必要な予備費の総額が見えてきます。
| 月 | 予想される出費 | 想定金額 |
|---|---|---|
| 4月 | 自動車税 | 約4万円 |
| 6月 | 固定資産税(第1期) | 数万円 |
| 8月 | 帰省費用 | 5万円~10万円 |
| 12月 | 年末年始の帰省・イベント | 5万円~10万円 |
こうして書き出すと、毎月いくらずつ積み立てればよいかが計算できます。年間の予備費が30万円なら、月に2万5,000円の積み立てが目安です。無理のない金額設定が継続のコツになります。
固定費の見直しで積立額を確保する
「予備費を積み立てたいけど、毎月の余裕がない」と感じる場合は、固定費を見直しましょう。一度見直せば効果が継続するため、節約の効率が非常に高い方法です。
見直しやすい固定費の例
- スマートフォンの通信費:大手キャリアから格安SIMへ切り替えると、月5,000円程度の節約になる
- サブスクリプション:使っていない動画配信サービスや音楽配信を解約する
- 光熱費:電力会社やガス会社の契約プランを見直すだけで月1,000円~2,000円削減できる
- 保険料:重複している保障内容を整理し、適正な保険料にする
これらを合計すると、月に1万円前後の節約が可能になります。その分を予備費口座に回せば、無理なく積み立てられるようになるでしょう。
変動費の見直しは慎重に
食費や交際費などの変動費を削ると、ストレスが溜まりやすくなります。我慢が続くと家計管理そのものが嫌になってしまうため、まずは固定費から手をつけるのが賢明です。
変動費の節約は、固定費の見直しで効果が出た後に、無理のない範囲で取り組みましょう。
予備費を使った後のリカバリー計画
予備費は使うためにあるお金です。冠婚葬祭や急な修繕で予備費を使ったら、できるだけ早く元の金額に戻すことを考えます。
補充のための工夫
予備費を大きく使った月の翌月は、積立額を一時的に増やすのが効果的です。例えば通常5,000円の積み立てを1万円にする、ボーナスから追加で入金するなど、柔軟に対応しましょう。
また、不用品を売って得たお金を予備費口座に入れるのも一つの方法です。フリマアプリやリサイクルショップを活用すれば、使わなくなった洋服や家電が現金に変わります。臨時収入は予備費の補充に回すと決めておけば、口座残高の回復が早まります。
予備費を守るためのルール
予備費口座のお金は、本当に必要な時以外は使わないというルールを徹底しましょう。「ちょっとだけ借りよう」という気持ちで手をつけると、いつの間にか空っぽになってしまいます。生活費が足りない月は、まず変動費を見直す、翌月の固定費を調整するなど、他の方法を優先します。
予備費はあくまで「予想外の出費専用」です。旅行や趣味の買い物など、楽しみのための支出は別に計画して、予備費に頼らないようにしましょう。